東京都、太陽光発電の補助事業が続々と

 東京都は、環境政策と経済成長を両立させた「世界一の環境先進都市・東京」の将来像と、その実現に向けた政策展開を明確化するため、2016年3月に新たな東京都環境基本計画を策定。同年12月には「都民ファーストでつくる『新しい東京』 ~2020年に向けた実行プラン~」をまとめた。その政策の柱の1つ「スマートエネルギー都市の実現」では、都内の再生可能エネルギーによる電力利用の割合を24年までに20%程度、30年までに30%程度、都内の太陽光発電設備導入量を24年までに100万kW、30年までに130万kWにそれぞれ高める目標を掲げている。

東京都の再生可能エネルギーの導入目標。年次は暦年で表示しているが集計などは年度単位で実施(資料:東京都)

 東京都の指定を受けた東京都環境公社(東京都地球温暖化防止活動推進センター、愛称:クール・ネット東京)は、「スマートエネルギー都市の実現」に向け、東京都とともに中小企業や家庭の省エネ・創エネを支援している。その取り組みの中から、19年度の太陽光発電に関する事業所向け補助事業を中心に紹介する。

 

地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業

 東京都内で、地域の防災性の向上にも資する、自家消費型再生可能エネルギー発電設備などを設置する民間事業者(企業、学校法人、社会福祉法人など)に、導入費用の一部を補助する制度。太陽光発電設備は出力5kW以上が補助対象設備要件となる。

 19年度は補助率・補助上限額ともに大幅に引き上げられた。中小企業、独立行政法人、学校法人などの場合、補助対象経費の3分の2以内、補助上限額1億円(18年度は3分の1以内、上限5000万円)。公募期間は20年3月31日まで。詳細情報や交付要領などはクール・ネット東京のホームページ内からダウンロードできる。過去の交付実績も一覧できる。

 

駅舎へのソーラーパネル等設置促進事業

 東京都では、都民が太陽光発電を身近に感じる機会創出と、太陽光発電の普及拡大を目的に、鉄道の駅などに太陽光発電設備を設置する費用の助成を行っている。対象設備は、太陽光発電システム(必須)、再生可能エネルギー普及啓発などの情報発信用デジタルサイネージ設備(必須)、太陽光発電が供給する電気を優先的に蓄電する蓄電池。助成対象は鉄道事業者など。

 助成率は3分の2で1駅当たりの上限額は2億円。申請期限は20年3月31日。詳細情報や交付要領などはクール・ネット東京のホームページ内からダウンロードできる。

 

バス停留所ソーラーパネル等設置促進事業

 都内のバス停留所に太陽光発電システムなどを設置する経費を補助する。駅舎への取り組みと同様、再生可能エネルギーに関する都民の理解を高めることも目的としている。助成対象は太陽光発電システムと、同システムからの電力を夜間や停電時に利用可能にする蓄電池。スマートフォンなどの充電設備、WiFi設備などを併設する場合も助成対象となる。

 助成率は4分の3。上限額は上屋型バス停への設置の場合は1基当たり450万円、ポール型バス停への設置の場合は1基当たり37万5000円。申請期限は19年12月27日。詳細情報や交付要領などはクール・ネット東京のホームページ内からダウンロードできる。この事業を活用し、これまで、東京都交通局の新木場駅前、南千住駅東口など、3バス停計5基のシステムを設置した。

バス停留所ソーラーパネル等設置促進事業の助成対象のイメージ。南千住駅前に設置された太陽光発電と蓄電池搭載のバス停(資料:東京都)

 

東京ソーラー屋根台帳(ポテンシャルマップ)の公開

 東京都環境局とクール・ネット東京は、14年から、都内の建物がそれぞれどの程度太陽光発電の設置に適しているか、一目で分かるWEBマップ「東京ソーラー屋根台帳(ポテンシャルマップ)」を公開している。ドイツやスイス、米国のニューヨーク、サンフランシスコなどで導入が進む「ソーラー屋根台帳」を、東京都が国内で初めて導入したもの。航空測量データを用いて実際の建物を3次元解析し、建物ごとに予測される日射量を分析。屋根の傾斜や、近隣の建物などの日陰の影響も考慮し、太陽光発電への適合度を算出。適合度を色分けしてWEBマップ上に示した。

東京ソーラー屋根台帳のイメージ(資料:東京都)

 このほか東京都では、今後廃棄が見込まれる使用済み太陽光発電設備の3R(Reduce:減らす、Reuse:繰り返し使う、Recycle:再資源化する)と適正処理の促進を図るため、学識経験者、関係者による「東京都使用済太陽光発電設備リサイクル検討会」を18年8月に設置した。使用済み太陽光発電設備に含まれる有用金属やガラスの効果的なリサイクル手法などを検討中だ。

 また、東京都教育委員会が19年2月に策定した「都立高校改革推進計画新実施計画(第二次)」でも、19~21年度に都立高校の改築や大規模改修工事で、太陽光発電設備の整備を計画している。

 

日経 xTECH「省エネNext」公開のウェブ記事を転載)


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