ZEB実証事業の半数以上を「事務所」が占める ZEB実証事業 調査発表会2020リポート(1)
- 21/02/26
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環境共創イニシアチブ(SII)は、経済産業省と環境省の連携事業として執行した2020年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業における採択事業(公募期間:20年5月18日~同6月11日)の傾向を分析した。その内容をリポートする。
ZEBは4種類あり、基準1次エネルギー消費量からの削減率が大きい順に、「ZEB(ゼブ)」「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」「ZEB Ready(ゼブレディ)」「ZEB Oriented(ゼブオリエンテッド)」となる。
ZEBは創エネルギーを加味した基準1次エネルギー消費量からの削減率が100%以上、Nearly ZEBは同75%以上、ZEB Readyは同75%未満。いずれも創エネルギーを加味しない省エネルギーだけの削減率50%以上が必須となる。
ZEB Orientedは、創エネルギーを加味しない省エネルギーだけの削減率が40%以上(事務所、学校、工場など)、同30%以上(ホテル、病院、百貨店、飲食店、集会所など)で、現行のWEBPRO(建築物省エネ法に基づくエネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版))の未評価技術を導入した、延べ面積1万m2以上の建築物が対象。
経産省の補助対象は、延べ面積1万m2以上の民間業務用施設(新築)と既存建築物、2000m2以上1万m2未満の既存建築物。環境省の補助対象は、1万m2未満の民間業務用施設(新築)と2000m2未満の既存建築物、地方公共団体の建築物(新築、既存建築物ともに面積要件なし、ZEB Orientedを除く)。
20年度ZEB実証事業の採択件数は70件。交付決定後に中止となった事業を除く68件中、ZEBは14件、Nearly ZEBは16件、ZEB Readyは36件、ZEB Orientedは2件だった。建物用途別では「事務所」が全体の56%を占め、次いで「老人・福祉ホーム」15%、「ホテル・旅館」9%と続く。20年度ZEB実証事業では申請・採択件数ともに過去最多となり、ZEBは前年度の6件から14件に増えた。
交付決定事業68件の内訳。工事種別では新築が84%を占める(資料:環境共創イニシアチブ)
設計1次エネルギー消費削減率の分布。ZEBを達成した事業はすべて「事務所」で、新築は2000m2未満の建物が10件、2000m2以上が2件。既存建築物は2000m2未満の建物が2件。図中の「その他含まず」のその他は、パソコンやプリンターといったOA機器などによる「その他1次エネルギー消費量」を示す(資料:環境共創イニシアチブ)
地域別の事業件数は、全国で北海道5件が最も多く、次いで東京都、新潟県、富山県、大阪府、高知県、沖縄県が同数(4件)で並んだ。
(日経クロステック「省エネNext」公開のウェブ記事から抜粋)
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